#275 AIネイティブのファンド・オブ・ファンズ
アメリカでは、日本のように手軽で安く、しかも美味しいランチを食べられる場所があまりないため、妻は基本的にお弁当を作って仕事に持っていきます。先日、Amazonで新しく箸箱を購入したのですが、届いたものは箸が10膳は入りそうなサイズでした。おかずも一緒に入れるべきかと思ってしまうレベルです。さすがアメリカ、サイズ感が大きいです。はい、これは返品ですw

2009年、私はシステムエンジニアとしてキャリアをスタートしました。当時、新入社員として任された最初の仕事の一つは、サーバーを発注し、数カ月待ったうえでデータセンターチームと連携して設置を行うことでした。その後、OSや各種アプリケーションを自分でセットアップするのが日常でした。当時はそれが当たり前のやり方でした。
そして2013年頃、初めてAWSに触れました。EC2を使えば、数クリックでサーバーをすぐに利用できるようになります。数カ月かかっていた作業が数分で完了するという体験は、今でも鮮明に覚えています。単なる利便性を超えて、根本的なパラダイムが変わったと感じました。そのときの衝撃は今でも忘れられません。
最近、私はこれに似た体験を再びしました。今回はClaude Codeです。
これまでにもさまざまなAIツールを試してきましたが、その多くは業務の中核というよりも周辺業務で必要に応じて使う程度にとどまっていました。いわば自動化ツールの延長線上であり、アウトプットの品質にも満足できないことが少なくありませんでした。
しかし今年に入ってClaude Codeを本格的に使い始めてから、状況が変わりました。これまではlow-code/no-codeツールに依存していましたが、今ではAIの助けを借りてPythonで必要な機能を直接実装する方が、はるかに速く、正確であると感じています。
その変化を最も強く実感したのは、最近バケーションで訪れたメキシコのロスカボスでのことでした。滞在中の数時間を使って、出資先ファンドの四半期財務データを取り込み、ファンド単体のパフォーマンスだけでなく、ルックスルーでのポートフォリオ企業のパフォーマンスまで確認できる内部ツールを構築しました。フォーマットの異なる財務データを扱うためそれなりのデバッグは必要でしたが、初期バージョンは驚くほど短時間で完成しました。
以前であれば、このような作業はデータ入力の人員に依頼していました。今ではAIによって、より速く、より低コストで、より正確に実行できます。何より重要なのは、それを数時間でパッと作り上げられるという点です。
もちろん、エンジニア出身でコードに慣れていることが、このスピードを可能にしている面はあります。ただ、この優位性は長くは続かないと思います。ツールの進化によって、誰もが同じことを実現できる環境が急速に整いつつあるからです。
これは単なる効率化ではなく、オペレーションそのものの変化を意味します。ファンド運用におけるAIツールの活用は、もはや選択肢ではなく必須になると思います。実際に姉妹ファンドのGREE Venturesのミドル・バックオフィス担当の方でこれらツールをかなり使いこなせている方がいて、業務効率が相当上がるだろうと感じました。私自身もすでにいくつかの機能を構築しており、今後もさらに拡張していく予定です。
最終的には、AIを前提とした「AIネイティブ」なファンド・オブ・ファンズの運用体制を構築することを目指しています。これは単なる実験ではなく、私たちを他の運用者と差別化する重要な競争優位の一つになると確信しています。
References:
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