#97 FTXのSBFの非難より大事なこと

今SBFを非難するのは簡単だが、これからは真の教訓を考えないといけない
46(Youngrok) 2022.11.13
誰でも

先週は子供のお食い初めでした。日本だとお食い初めセットがあって、それを買えば赤飯や鯛など、必要なものが全て揃っているようですが、当然サンフランシスコにはないので、家で簡単に準備してやりました。韓国にもお食い初めのような儀式があるのでそのスタイルも加えて、和風・韓国風・洋風の三つが適当に混ざったものに仕上がりました。これをきっかけに友人たちも呼んで昼から飲みながらゆっくりと過ごせたので、全体的に楽しい一日でした!

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FTXは最近最もホットなニュースです。なぜ、2番目に大きな暗号取引所が数日で消えてしまったのでしょうか?セコイアからタイガーやブラックロックまで、非常に多くの著名な投資家に支えられ、FTXは急速に成長し、創業CEOのサム・バンクマン=フリード(通称SBF)は、かつて次のウォーレン・バフェットまでと呼ばれていました。

これを機に多くの人々がSBFを強く非難し、彼を詐欺師だと話しています。SBFのツイートからも分かりますが、当然ながら彼もこのような事態になることを望んではなかったはずです。どこまでが本当の話で、どこまでが嘘なのか、数少ない人たちのみが真実を知っているでしょう。ただ、今SBFやFTXを責めるのは簡単です。本当に難しいことは、この出来事から何を学んで前に進むかを考えることです。

まず、すべての暗号資産プロジェクトのガバナンスについてはしっかりと見直すべきだと思います。FTXの問題は、Binance(暗号取引所最大手)がFTXの暗号通貨であるFTTを清算すると発表したことに端を発しています。FTTの最大保有者の一人であるBinanceは、FTTを5%を保有していたそうです。ですのでBinanceの発表はマーケットに大きなインパクトがあり、他のFTTのホルダーたちも次から次へと自分の持分を精算し出したのです。その結果当然、FTTの価格は暴落を免れませんでした。

FTTを含む多くの暗号資産の問題は、通常、全体のトークンの大部分を所有する少数のトークンホルダーが存在することです。言い換えれば、暗号資産をある程度コントロールできる少数の大物たちが存在するということです。例えば、CoinCarpによると、Solanaの10%、Avalancheの43%、Polygonの67%は、上位10人のホルダーによって所有されています。暗号通貨は分散型であるはずなのに、現実には寡占(Oligopoly)に近い状態になっているのです。

もう一つ考慮すべきは、資産の安全性を担保するためのガバナンスです。その最も簡単とも言える方法は法規制です。私たちが銀行口座にお金を預けるときに安心できるのは法律である程度守られているという安心感があるからです。一方で、より未来志向的な方法は、ブロックチェーン技術そのものを活用することです。分散型取引所(DEX)の構想や分散型自律組織(DAO)がそれにあたるかもしれません。明らかに、法規制の整備には永遠に時間がかかり、ブロックチェーン技術の真の可能性を制限してしまう可能性もあります。後者については、すでに多くの賢い人々がさまざまなプロジェクトに取り組んでおり、少しずつ斬新な解決策が見つかってくると信じています。

私はまだ暗号市場を信じているのでしょうか。はい、もちろんです。暗号市場にはすでにあまりにも多くの人と多くの資本が関わっており、暗号市場全体が崩壊することはそう簡単ではないでしょう。

11月13日現在、ビットコイン価格は16,500ドルですが、2017年の暗号ブームの時のピーク価格は19,500ドルでした。つまり、ビットコイン価格がこれだけ急落しても、まだ前回のサイクルのピーク価格に近いということです。今、私たちは、株式市場でに取引される暗号取引所(もちろんCoinbaseのことを話しています)が存在する世界に住んでいます。また、ビットコインETFも登場しています。これらはすべてわずか数年前までは夢物語だと考えられていましたが、全てが現実化されたのです。今回のFTXやその前のTerraの騒動を踏まえ、暗号資産業界がどのようなレッスンを得て、今後どのように発展していくのかを見るのが楽しみです。

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