#202 ソロGPのVCファンドも大丈夫な理由
先週、ついに近所のガソリンスタンドのガソリン代が1ガロン当たり4ドル以下に下がりました!アメリカのガソリン代は2020年後半から上昇し始め、特にカリフォルニアでは2022年の夏に1ガロン当たり6ドルを超えることもありました。 その時は一番安いガソリンスタンドを探してガソリンを入れた記憶があります。 その習慣が今でも続いていて、今もいつも一番安いガソリンスタンドを探しに行きます。 カリフォルニアはもともと他の州よりガソリン代が高いので、このようにガソリン代が下がって本当に良かったです。これからもガソリン代が安定し、それによって物価がさらに安定し、それで最も重要な金利も下がるという好循環が起こればいいなと思います!
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ベンチャーキャピタル(VC)ファンドへの投資において、多くの伝統的なリミテッドパートナー(LP)はソロGPへの投資をためらう傾向があります。これは、GPの能力やファンドの持続可能性、そして運営リスクへの懸念から来る場合が多いです。
しかし、私の考えは違います。ちょうど1年前のブログでも述べたように、ソロGPがよりリスクが高いという通説は必ずしも正しいわけではないのです(#153 ソロGPファンドは本当にリスクがもっと高いのか?)。その理由は単純です。複数の人が長期的に成功するパートナーシップを維持できることは、決して簡単ではないからです。私はよくこう説明します。「2人が離婚する確率よりも、1人が交通事故で大きなケガをする確率の方が低い」と。VCファンドのパートナーシップは結婚に似ています。結婚と同様に、とても良い関係を長期間維持するのは決して簡単なことではありません。
GPが複数いるファンドを評価する際、私はそのパートナーシップが長期的にうまくいくという強い確信が必要です。意外と簡単に確信を得られる場合もあります。たとえば、最近投資したファンドでは、2人のパートナーが10年以上前に共同創業者としてスタートアップを設立しています。そのあとその会社をGoogleに売却し、Googleでも数年間一緒に働いていました。リファレンスチェックを行った際、多くの人が2人の関係を「兄弟のようだ」と表現しましたし、私自身も二人の深い関係を感じることができました。
しかし、このような例はむしろ稀です。多くの場合、パートナーシップが本当に長続きするかどうかを評価するのは非常に難しいです。一見親密そうに見えるGPでも、実際にどれだけうまく協力できるかを判断するのは簡単ではありません。私はパートナーシップの安定性に確信が持てなかったために、投資の機会を見送った経験が何度もあります。もちろん、それらのファンドの一部は今もうまくやっており、私の判断が誤りだった可能性もあります。年間200以上のファンドに会っている私ですが、それでも判断は難しいのです。
私たちGREE LP Fundが注力する戦略の一つである小規模ファンドへの投資では、特にソロGP構造が適していると考えています。たとえば、5,000万ドル($50m)までのファンドは、1人のGPが十分に効率的に運営できる範囲です。一方で、それ以上の規模のファンドになると、複数のGPが責任を分担し、安定した運営を行う必要がある場合が多いです。
また、技術の進歩やアウトソーシングの活性化も、ソロGPが効率的に活動できる環境を整えています。アメリカでは、VCファンド運営に必要な非コア業務を処理する専門サービスプロバイダーが数多く存在します。これにより、ソロGPはディールソーシングやポートフォリオ支援といったコア業務に集中することが可能です。
さらに、アメリカのLPは日本のLPに比べて要求事項が少ない場合が多い点も、ソロGPが柔軟に活動できる要因です。日本のような市場ではLPの要求が相対的に高いため、ソロGPが成功するには別の戦略的アプローチが必要になるかも知れません。
アメリカでは、1年前の記事を書いた時から変わらずソロGPの数が着実に増加していると感じています。そして、この流れは今後も続くと予想しています。エコシステムの発展や技術の進化がソロGPとしてのファンド運営上の障壁をさらに低くする中で、ソロGPはベンチャー投資業界でより重要な役割を果たすようになるでしょう。
ソロGPがすべての戦略や市場に適しているわけではありませんが、私たちのようにアメリカで小規模ファンドに投資する戦略においては、とても馬が合います。今後もソロGPの役割とその進化がどのように展開していくのか、とても期待しています。
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