#116 ベンチャー投資の新たなブルーオーシャン

ソフトウェア・イノベーション以外の領域でも拡大する機会
46(Youngrok) 2023.03.27
誰でも

友人の友人が最近おはぎの事業を始めたのですが、先週末それの出店をバークレーで出してたので行ってきました。おはぎはあまり食べたことがなかったのですが、ほぼ初めて食べる(しかもアメリカで)おはぎは見た目もとても繊細で、味も抜群に美味しかったです。見事に1時間で完売してました。流行るのは時間の問題かもです。これからも愛用ですね!

***

ベンチャーキャピタル投資の本質は、19世紀の捕鯨と似ているというのは有名な話です。すべての船長がクジラを捕れるわけではありません。しかし、成功した船長は大儲けをします。捕鯨エージェントは、どの船長が優秀な船員でチームを作ることができて、実際にクジラが捕れる可能性が高いかを知っている人でした。そして彼らは裕福な貴族たちが複数の船長に分散して投資をすることを手伝っていました。

これを今のベンチャーキャピタル業界に当てはめると、裕福な貴族たちはベンチャーキャピタルに投資するリミテッドパートナー、捕鯨エージェントはベンチャーキキャピタリスト、そして船長はスタートアップの創業者になります。そして、クジラは成功したスタートアップです。つまり、VCの仕事は、本物の大きなクジラが捕れる船長を見つけて投資を行うことです。

著名VCのアンドリーセン・ホロウィッツの創業者であるマーク・アンドリーセンの有名な言葉である「ソフトウェアが世界を食っている(Software is eating the world)」は20年ほど前に始まり、今も続いています。ソフトウェア界の「クジラ」(成功するスタートアップ)は今もそこにいて、それらが探せる船長(スタートアップ創業者)、その船長に投資する捕鯨エージェント(VC)はこれからも成功し続けていきます。しかし、この「ソフトウェアの海」は、ここ数年で捕鯨に興味を持つ人々が大きく増え、かなり混んできました。レッドオーシャン化してきたのです。その中で、ただの魚をクジラだと信じる人も増えてしまいましたが、最近市場が落ち着いてきたことを受け、だんだんと魚であることが証明されつつあります。ここで誤解をしないでいただきたいのですが、まだまだクジラはいます。しかし、誰よりも早くそのクジラを見つけ、そして獲るためには、船長・捕鯨エージェントとも勝てるユニークな方法を考案しないといけません。

グッドニュースは、最近、新しい海が続々と出現し始めたことです。「ブロックチェーンの海」、「バイオ技術の海」、「宇宙産業の海」、「クライメートテックの海」、「メタバースの海」など。これらはブルーオーシャンです。蓋を開けてみると実はクジラはあまりいないかもしれません。ただ、逆により大きなクジラがもっと多くいるかもしれません。

これらの新しい海で捕鯨をするためには、まったく異なる知識、経験、ネットワーク、そして勇気が必要です。ブロックチェーン技術を理解するには、例えばソーシャルメディアのプラットフォームを構築するのとは異なる知識と経験が必要です。クライメートテックやバイオを理解するのも同じことです。つまり、かつてソフトウェアの海でクジラを捕獲していた船長や捕鯨エージェントが、これら新しい海で捕鯨に成功するのは簡単ではないのです。

今、大航海時代の新たな章に移行しつつあるのかもしれない。大西洋は、人類が最初に探検した海です。当然、最初人々はインド洋や太平洋のことを知りませんでした。インド洋の大きさは、大西洋と同じくらいです。しかし、太平洋は大西洋の2倍の大きさがあります。すなわち、これら新しい海を探検できる船長、そして彼らのサポートができる捕鯨エージェントにとっては、絶好の新しいチャンスが始まるかもしれません。

Reference:

無料で「46のテクトレ」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら