#130 シリコンバレー・SFはまだ終わってない
今週末はサンフランシスコの昔ながら有名なクラフトビールであるアンカー・スチーム(Anchor Steam)のブリュワリーについに行ってきました。 家から車で6分ととても近い場所にあるのですが、ずっと先延ばしにしていたのです(観光地の近くに住んでいる人は結局観光地には行かないという原理)。広々とした空間に雰囲気も良くてビールの種類も多く、LGBTQ関連のイベントもやっているのがとてもサンフランシスコらしい場所でした。アンカー・スチームはどこのスーパーやレストランに行っても簡単に手に入るビールですが、ここのブルワリーでしか味わえないビールもあるので、サンフランシスコに来られる機会がある方にはおすすめです!
右側に見える「アンカー」がシンボルです。
パンデミックだったここ数年、サンフランシスコに対するネガティブな見方が多く、シリコンバレーの終焉を主張する人もいました。
しかし、サンフランシスコに住む者として日々この街を眺めている私としては、そのような見方は間違っていると思います。 もちろん、パンデミックの一時期は、他の都市と同じく全体的に非常に暗い雰囲気でしたが、今は少しずつサンフランシスコが戻ってきていると感じています。例えば、AI業界の人、スタートアップ、投資家が再びサンフランシスコに集まってきています。私が最近出会った多くの投資家は、このような理由からサンフランシスコに来る機会が増えたと言います。私が使っているコーワキングスペースも随分賑わっています。
著名なVCであるアンドレセン・ホロウィッツの元パートナーで、カンブリアンVC (Cambrian VC)というベンチャーキャピタルを運営しているレックス氏は先日、次のようなツイートをしました(カンブリアンは私たちの投資先ファンドです)。
このツイートによると、現在アンドレセン・ホロウィッツの全てのジェネラルパートナー(General Partner)の52人のうち、半分を超える38人がサンフランシスコベイエリアに居住しています。これはLinkedInのデータで100%正確ではありませんが、少なくともサンフランシスコがスタートアップ・ベンチャーキャピタルの聖地としての地位を失っていないことを十分に示しています。
そこで私は他のトップティアのベンチャーキャピタルも同様の方法で確認してみました。
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セコイア: 11/20 (55%)
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ベンチマーク: 12/15 (80%)
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ファースト・ラウンド・キャピタル: 8/15 (53%)
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ジェネラル・カタリスト: 11/31 (35%)
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ライトスピード: 15/19 (79%)
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グレイロック: 11/12 (92%)
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コスラベンチャーズ:5/5 (100%)
これは、LinkedIn上で各VCの全体ジェネラルパートナーの数、そしてサンフランシスコベイエリアに住んでいると記載されているパートナーの数と割合を示しています。ご覧の通りジェネラル・キャタリスト以外は、一般的な会社の「役員」に相当するジェネラルパートナーの半数以上がサンフランシスコ地域に居住していることがわかります。
パンデミック期間中、多くの人々がサンフランシスコを離れてフロリダなどの他の州に移住したという話がありましたが、今、公式データが出てきて現状を調べることができるようになりました。 実際、サンフランシスコの人口が減少したのは事実です。現在、この地域の人口は約620万人で、2020年比で約3.6%減少しました。 これは、同じ期間で約1.3%減少したカリフォルニア全体よりも少し高い数値です。しかし、3.6%は驚くほど高い数値でしょうか?私はそうは思いません。 ニューヨーク地域は同じ期間に約4.9%の人口が減少しました。ご存知のように、誰もニューヨークが終わったとは思いません。
このデータからも多くの人が心配していたシリコンバレーやサンフランシスコベイエリアの終焉とはほど遠いということが確認できます。私が約2年前に書いた「#33 重要なのはサンフランシスコが終わったかどうかではない」でも主張したように、サンフランシスコ・ベイエリアが終わったかどうかが重要な論点ではありません。 重要な点は、スタートアップが私たちの生活に与える影響が大きくなればなるほど、他の地域でも起業やベンチャー投資の規模が大きくなっていくという点であり、サンフランシスコ・ベイエリアとともに、そのような新興地域にも注目していく必要があるということです。
References:・https://twitter.com/rexsalisbury/status/1674812591313657857?s=20・https://www.census.gov/quickfacts/sanfranciscocountycalifornia・*San Francisco Bay Area includes the following counties: Santa Clara, San Mateo, Contra Costa Alameda, San Francisco・*New York Area includes the following counties: Bergen, Hudson, Kings, Queens, Bronx, and New York
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