#62 VCファンドの設立パートナーに必要な経験は?

多様化してきているVCファンド設立パートナの経歴
46(Youngrok) 2022.03.14
誰でも

元々は13日(日曜日)に韓国に行く予定だったのですが、まさか家族全員がコロナにかかってしまい日程を変更することになりました。最近韓国は本当にコロナにかかる人たちがたくさん増えてきましたが、1日も早く状況が改善することを願います!しかも韓国も4月からは海外からワクチンを打った人たちは隔離もなくなるみたいなので、今回の状況さえ良くなれば以前のように行き来しやくなるのではないかと期待しています!

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スタートアップを創業し、IPOや買収を通じた成功的なイグジットを収め、エンジェル投資家として他の若いスタートアップを支援することは、今までVCを設立してきた人たちの共通のプレイブックでした。マーク・アンドレアセン氏(Mark Andreessen)は、インターネット・エクスプローラが市場を席巻する前の90年代中盤・後半に、最も広く使われていたウェブ・ブラウザを作っていたネットスケープ社(Netscape)を創業しました。同社はIPOを果たし後にAOLに買収されています。また、マークとネットスケープ社に初期メンバとしてジョインしていたベン・ホロウィッツ氏(Ben Horowitz)は、オプスウェア(Opsware)という会社を設立し、HPに売却しました。その後、エンジェル投資家として他の若いスタートアップに投資をしていくうちに、2009年、今では最も影響力のあるVCであるアンドレアセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)の創業に至ったのです。

アンドレアセン・ホロウィッツは多くの同じストーリーの一つにすぎません。ヴィノッド・コースラ氏(Vinod Khosla)も典型的な例でしょう。2004年シリコンバレーにて最も影響力のあるVCの一つであるコースラ・ベンチャーズ(Khosla Ventures)を設立する前、コースラ氏は、UNIXやJavaで有名なサン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)を共同設立する他、ジュニパーネットワークス(Juniper Networks)のような成功的な会社をインキュベートしていました。他の非常に影響力のある著名VCであるファースト・ラウンド・キャピタル(First Round Capital)の共同創設者のジョッシュ・コプルマン氏(Josh Kopelman)も、自分のVCを創業する前に3つのスタートアップを創業しています。その内1社は上場、2社はeBayとSymantecにそれぞれ買収されました。

もちろん、金融畑からのパートナーが創業したユニオン・スクェア・ベンチャーズ(Union Square Ventures)やIAベンチャーズ(IA Ventures)のような例外もありますが、多くの場合、成功した創業者及びエンジェル投資家としての経験はVCファームの創業にあたって必須関門になっていました。

しかし、VCの創業パートナーとして成功した人たちにの物語が多様化してきています。例えば、最も影響力のあるVCの一つであるローワーケース・キャピタル(Lowercase Capital)を設立し、ツイッターやインスタグラムなどの投資を通じて伝説に残るような投資リターンを上げたクリス・サッカー氏(Chris Sacca)は、正式には弁護士としてキャリアをスタートし、2003年にグーグルに入社しています。同社で数々の事業開発を主導しつつ、スーパーエンジェルになった後、ローワーケース・キャピタルを設立に至っています。

米国の他の著名なVCであるフェリシス・ベンチャーズ(Felicis Ventures)を設立したアイディン・センカット氏(Aydin Senkut)も良い例です。彼は、1999年に最初のプロダクト・マネージャーの一人としてグーグルに入社し、2005年まで同社で働きました。グーグルの後、エンジェル投資家として活動したのちに2006年フェリシス・ベンチャーズを立ち上げています。

このようなVCファームの創業ストーリの多様化は加速してきています。グーグルの次の世代のスタートアップでのプロダクト・マネージャーや他のオペレーターロールで働き、エンジェル投資家として経験のある人たちが次から次へと自分達のファンドを立ち上げていて、成功事例も出てき始めています。例えば、かつてTinderでプロダクト・レビュニューのVPを務めていたジェフ・モリス氏(Jeff Morris Jr)は、2017年に自身のVCファンドチャプター・ワン・ベンチャーズ(Chapter One Ventures)を設立し、すでに影響力のあるVCとして地位を固めつつあります。スタートアップでマーケティングやプロダクトの仕事をしていたメンバーたちによって2013年に設立され、スタートアップ業界で強いブランドを確立してきているスーサー・ベンチャーズ(Susa Ventures)も素晴らしい例でしょう。

スタートアップの成功事例が益々と増えてきている中、従来のプレイブック通り、成功的なイグジットを収めた創業者たちが自分達のファンドを立ち上げる事例は増えてきています。同時に、そのようなスタートアップで成功的なキャリアーを積んできていて、エンジェル投資家としても実績を作ってきたオペレーターたちによって創業されるVCの数も増えてきているのです。

ただ、誰もがVCを作るようになったとしても、当然決して誰もが「成功的なVC」が作れるというわけではありません。むしろ、VCを目指す人が増えて競争が一層激しくなってきているので、何かの独自の強みを持たない限り、成功することも益々難しくなってきています。

これはスタートアップ側からするとVCの選択幅が広がることを意味するので朗報です。私にとっても今後今まで見たことないスペシャルティーを持つ多様な形態のVCが見れるのがとても楽しみで、今後どのような経験が成功的なVCの設立に最も貢献するのかを継続的に見ていきたいと思っています。

References:
・Chris Sacca Wiki - https://en.wikipedia.org/wiki/Chris_Sacca
・Aydin Senkut Wiki - https://en.wikipedia.org/wiki/Aydin_Senkut

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