#139 VCのための便利な生産性ツールとワークフロー自動化

今や生産性ツールの利用と自動化は避けられない
46(Youngrok) 2023.09.04
誰でも

先週の日曜日と月曜日に初めてシアトル市内を訪問しました。 短い日程でしたが、アマゾンにも行ってみたり、スターバックス1号店も45分も待って入ってみました。 ここは座れるテーブルはなく、テイクアウトをしたり、1号店でしか買えない初期のロゴが入ったお土産を買うのがメインの本当に小さなお店です。スターバックスは3人の創業者によって1971年に始まりました。彼らは1987年に私たちにもおなじみの名前であるハワード・シュルツにスターバックスを売却していて、本格的な成長はそれからです。売却当時すでにスターバックスはその地域である程度成功したコーヒーチェーンでしたが、自分たちが作ったレガシーが50年経った今、このように世界に35,000以上の店舗を持つ巨大企業として成長した姿をどう見るか、いろいろな考えが交差しました。

看板に見えるスターバックスのロゴが初期のロゴだそうです。

看板に見えるスターバックスのロゴが初期のロゴだそうです。

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アンドレセン・ホロウィッツの共同創業者の一人であるマーク・アンドレセンは「技術が世界を食べている(Software is eating the world)」という有名な言葉を言いました。 そして、これはベンチャーキャピタル投資分野も例外ではありません。

ベンチャー投資におけるソフトウェアの役割は、投資案件のソーシング、スタートアップの評価、ポートフォリオのサポートにおいて、ますます重要になってきています。 特に米国では、このようなソリューションを提供するサードパーティベンダーも多く存在します。これについては、以下の記事でも取り上げています。

Weekend Fundという米国のVCが発行するニュースレターであるSignatureblockに、日本のVCもぜひ一度見ておくべき非常に興味深く有用な記事が2つ掲載されました。最初の記事は、VCが生産性向上のためにどのようなツールを使用しているかという内容で、2番目の記事は、業務効率化のためにどのようなワークフローを作っているかという内容です。一部のVCは、単にノーコード/ローコードツールを使用するだけでなく、ジェネレーティブAIを積極的に活用しているところもあります。例えば、プレゼンテーションから必要な情報を抽出し、投資した企業についての説明を要約するために使用しています。

YoheiさんがリードするUntapped Capitalという新興VCがOpenAIも使って実装している自動化ワークフロー

YoheiさんがリードするUntapped Capitalという新興VCがOpenAIも使って実装している自動化ワークフロー

私が10年ほど前にベンチャーキャピタルの仕事を始めたとき、ベンチャーキャピタル業界は巨大なブラックボックスのようなものでした。情報はほとんどなく、大体の人々はその業界について知りませんでした。今は、ベンチャーキャピタルについて学ぶ方法や、ベンチャーキャピタリストになる方法が多様化しています。実際、Emerging VCと呼ばれる新興VCに投資するファンド・オブ・ファンドマネージャーとして、私は多くの非常に優秀な人々が自分のVCを始めるのを毎日のように見ています。

これは、今後、VC間の競争がより激しくなることを意味します。すべてのビジネスがそうであるように、競争が激しくなればなるほど、より少ないリソースでより多くのアウトプットを生み出さなければなりません。単にファンドの管理報酬(一言で言えば手数料)を上げて、より多くの人を雇うことはできません。そうすると、投資収益率が下がってしまう可能性があるからです。より少ないリソースでより多くのことをするためには、テクノロジーの活用は避けられません。

そのため、今回のシグネチャーブロックの記事で紹介したツールや自動化されたワークフローを自分なりに解釈し、様々な方法で活用することは、今後は選択ではなく必須となります。VCもできるだけ少ないリソースでより多くのことを行うことができなければ、競争優位性を確保することができなくなるため、このような流れの変化は早ければ早いほど良いです。

これは、VCファンドに投資するファンド・オブ・ファンズを運営する私にも当てはまります。私たちの業務においても、まだまだ生産性を上げられる部分がたくさんあります。ファンド・オブ・ファンズはVCファンドに比べて管理報酬が少ないので、単純に人員を増やすことはさらに難しいです。 私にとっても、テクノロジーの活用は避けて通れないものなのです。

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