#208 VCキャリア10年目、13軒目の新しい家から
新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。もう2025年だなんて信じられない気持ちですが、ワクワクする新しい一年が始まりました。今年も個人的な成長と、仕事においても重要な節目となる年になると感じています。数日前は、近くに引っ越しました。高校を卒業して親元を離れてから、今回で住んだ家は13軒目になります。絶え間なく動き続けた私の人生の足跡のように感じます。
今回の引っ越しは、これまで以上に多くのことを考える機会を与えてくれました。これまで住んだ12軒の家の中で、特に長く住んだ2つの家が思い出に残っています。1つは、ゴールドマン・サックスで社会人生活を始めた時に住んでいた恵比寿の家。もう1つは、直前まで住んでいたサンフランシスコのミッション地区の家です。後者はアメリカで初めて購入した家でもあり、特別な意味を持っています。ここは、私が働き、家族を育て、人生の大切な章を書き進めてきた場所でした。
引っ越し後、前の家を自分で直接掃除するために長女と一緒に行ってきました。
その家での生活は、私の人生に深い変化をもたらしました。2人の愛らしい娘の父親となり、彼女たちの笑顔や存在は、どんなに体が疲れていても私を支える確かな柱となりました。
また、ファンド・オブ・ファンズのマネージャーとして地位を確立する上での重要な転機にもなりました。今年2025年は、私がVC業界に携わって10年目、LP投資家として活動して8年目となる年です。最初に投資したサンドヒルロードの有名なVCファンドが、OpenAIに最も早く投資したファンドの一つであったことは、今でも驚きです。この経験は、VC業界で成功とは何かを学ぶ素晴らしいケーススタディとなりました。
過去10年間、私はマルコム・グラッドウェルの『アウトライアーズ』で語られる1万時間の法則を遥かに超える時間をこの業界に注いできました。学ぶべきことはまだまだ多いですが、今ではVCとして機会を発掘し、評価し、ファンドの構造を理解し、何よりも自分がプレイすべき「正しいゲーム」に対する自信を持つようになりました。
正しいゲーム
どんな仕事においても、「ゲーム」を定義することは非常に重要です。しかし特に、アメリカのVC市場に参入しようとする人々にとって、それは依然として謎のままである場合が多いようです。私がVCキャリアを始めた10年前、情報を得るのは簡単ではありませんでした。しかし今では、ブログや書籍(このブログを含め)もたくさんありますし、キャップテーブルといった基本的な用語については、簡単なGoogle検索で非常に優れた説明が簡単に見つかるようになりました。
それでも、こうした基礎知識を超えた深いニュアンスを理解するには時間がかかります。単にルールを学ぶにとどまらず、各投資家がどのように成功を定義し、市場でどのように自分をポジショニングし、変化する環境の中でどのように進化すべきかを理解することが重要です。
VC業界も変化がないように見えますが、実際には急激な変化を経験しています。かつてはシンプルな投資テーマでも十分だった時代がありましたが、今はそうではありません。私たちのファンドも、ここ数年でさまざまな試みを行ってきましたし、今年は新しいファンドの立ち上げも準備しています。私たちの目標は、単にゲームに参加するだけでなく、市場のリーダーとなることです。そして、LPへの価値提供を超えて、エコシステム全体にポジティブな影響を与えることを目指しています。変化はどの業界でも必然です。ここで変化に追随するだけでなく、変化を主導する役割を果たすことが重要です。
2025年を迎えて
13軒目の家の片付けがほぼ終わった今、私は2025年に対する期待で満ちています。今年も2人の娘の父親として、また急速に変化する業界の一員として、焦点をさらに明確にしていくつもりです。
過去10年の経験を通じて、私にとって正しいゲームとはなんなのかを探すことができました。そのゲームは今まさに始まったばかりだと思います。そして、今こそ、このゲームをうまくプレイできる準備が整ったと感じています。
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