#190 LPとしてVCファンド出資を通じて情報やインサイトを獲得する方法
アメリカは月曜日が祝日なので、三連休です。 新生児がいる家だし、どうせどこへ行っても高いと思いつつも、体力が爆発している長女と一日中家にいるのも無理なので、プールに行くことにしました。以前一度、家の近くのプールに行ったら寒すぎて10分で撤退したことがあったので(サンフランシスコは寒いです)、今回はパロアルトまで行ってみました。結果はとても良かったです。 やはりは全然天気が暖かく、水も十分に暖かかったので、長女は楽しく遊んですぐに睡眠に陥り、次女もぐっすり眠ってくれて、結局翌日同じプールにもう一度行ってきました(笑)(この記事もプールの椅子で書きました)。やはりサンフランシスコ市内より、南の方が子育てには良いような気がしますねー!
二日目、Palo AltoのRinconada Poolで遊んでいる妻と娘
戦略的投資家もファイナンシャルの投資家も、単に魅力的なリターンだけでなく、ベンチャーキャピタルファンドがもつ貴重な情報とインサイトを得るために、VCファンドに投資をすることが多くあります。特に、米国といった海外市場、人工知能などの新しい技術トレンド、そしてアーリーステージ投資やクロスオーバー投資などの様々な投資戦略を模索する場合、VCファンドへの投資はより魅力的な選択肢となり得ます。
しかし、具体的にどのような情報がどのような形で得られるのかについて深く理解している有限責任組合員(LP)は多くありません。今回これまで多くの米国のVCファンドに投資してきた私の経験から、そのメカニズムを簡単に紹介したいと思います。
米国のベンチャーキャピタルファンドへの投資を通じて、LPは一般的に以下の4つの情報源を持つことになります:
1. 書面によるコミュニケーション
(A) 財務諸表:これは最も基本的な報告書です。通常、VCファンドは四半期ごとに財務諸表を提供しますが、一部のファンドは半年ごとに財務諸表を発行することもあります。これらの財務諸表には、ファンドの全体的な財務状況に加えて、ファンドの投資先とその投資の純資産価値(NAV)の詳細が載っている「投資スケジュール表」が含まれています。基本的には定量的データです。
(B) GPによる定期的アップデート:すべてのファンドが提供するわけではありませんが、提供されている場合、非常に有用な情報が含まれていることが多いです。 特に新興VCのGPは、市場動向、新規投資、既存投資のアップデートに関する情報とインサイトを提供するようなレポートを定期的に(多くの場合、四半期ごとに)送ります。このような定性的なレポートは、財務諸表の定量的データを補完し、より深いコンテキストを提供します。
2. 口頭でのコミュニケーション
(C) GPとの定期的なミーティング:通常は四半期ごとに開催されるこのようなミーティングでは、LPが重要な情報とインサイトを得ることができます。第一線で投資を実行するGPは、ポートフォリオ企業や今後の投資機会などの重要な情報を共有することができます。GPは投資活動やポートフォリオ管理の最前線にいるため、GPとの直接的な交流は非常に重要です。
(D) GPが主催するイベント:主要なイベント、特に年次サミットは、LPがGPだけでなく、ジュニアメンバーや他のLPと交流する機会を提供します。このようなイベントには、多くの場合、ポートフォリオ企業の創業者も参加するため、彼らとのネットワーキングは、業界についてより深い洞察を得ることができます。年次サミット以外にも、GPは小規模なディナーから大規模なイベントまで、さまざまなイベントを開催しています。
貴重な情報とインサイトを得ることが主な目標であるLPにとって、(B) GPによる定期的アップデートと(C) GPとの定期的なミーティングは不可欠です。トップティアのVCは通常、このようなサービスを提供しません。これは、このようなLP「サービス」がなくても資金調達が可能であるためです。一方、新興のVCは、能力は同等ですが、ファンド自体が新しいため、LPからの信頼を築き、出資をもらうために、このようなサービスを積極的に提供する傾向があります。したがって、総合的なインサイトや情報を求めるLPにとっては、新興VCへの出資は大きな価値を生む場合があります。
References:
n/a
すでに登録済みの方は こちら