#172 すべてのVCがフォローオン投資が得意なわけではない
私は週末になると、たいてい娘と一緒に公園に行きます。サンフランシスコの良いところは、近くに公園がたくさんあることです。先週末はサンフランシスコのランドマークの一つである「ペインテッド・レディース」で有名なアラモ・スクエアに行きましたが、公園に人が多すぎてびっくりしました。
もともとアラモ・スクエアは観光客だけでなく、地元の人たちにもかなり人気のある場所ですが、ここ数年はまだコロナから街がまだ回復中だったため、以前のようには感じられませんでした。しかし、先週末のアラモ・スクエアは完全に回復した感じでした。 これは、サンフランシスコがイノベーションの中心地として再びその名声を取り戻しつつあることを裏付けるもう一つの証拠ではないかと思います。
遠くに見える建物がペインテッド・レディース
先週は、ファンドの2/3をフォローオン投資に割り当てているという知人のファンドマネージャーに会いました。基本的にプレシードやシードラウンドにファンドの1/3を投資し、そのポートフォリオ企業がシードからシリーズBステージに成長していくに連れてファンドの残りの2/3を投資するという戦略です。 今回は2号ファンドで、1号ファンドではフォローオン投資投資戦略がない小規模なプレシードファンドでした。
私にとってこのファンドはその場でNoという投資判断をしたケースです。通常、断る理由については詳しく説明できないことが多いのですが、この方はちょっと前に別の機会で知り合った方で、その理由を説明する機会がありました。
この戦略には大きく2つの問題があります。まず、ファンドマネージャーはこのファンドをプレシード/シード段階のファンドと紹介していますが、実際にはそうではありません。ファンドの大部分である2/3がシードからシリーズBに割り当てられるので、これをプレシード/シードファンドと呼ぶには少し違和感があります。ある意味、シリーズAファンドと分類した方が良いかもしれません。もしそうであれば、プレシードとシリーズAとでは投資のやり方は全く違うので、異なるやり方で投資を進める必要があります。また、プレシード投資ファンドとシリーズAファンドは投資収益率のプロファイルも違うので、LPが感じる点も違います。些細な違いのように見えますが、少なくとも様々なファンドが存在し、市場が大きい米国では、これは非常に大きな違いに映ります。
もう一つの問題は、最初のファンドではフォローオン投資を全く行わない戦略だったにもかかわらず、今回のファンドではほとんどの資金をフォローオン投資に投入する戦略であることです。彼の論理はこうです。 最初のファンドのプレシード/シード投資の一部は非常に成功したものの、ファンド資金が十分でなかったため、フォローオン投資を行うことができなかったということです。 資金が十分であれば、フォローオン投資を通じて、より良いファンドリターンが得られたはずだということです。
その通りかもしれません。しかし、明らかなことは、初期投資とフォローオン投資は異なるスキルであるということです。初期投資とフォローオン投資の両方得意な投資家もいますが、すべての投資家がそうであるとは限りません。 ファンドマネージャーがフォローオン投資を決定しなければならない時点というのは、ポートフォリオ企業はまだ若く、引き続き大きなリスクを抱えている段階です。したがって、良いフォローオン投資機会をつかむこと、つまり真の勝者を選別することは、初期投資とは異なるスキルセットを必要とします。
しかし、彼は最初のファンドでフォローオン投資を行っていないため、彼が良いフォローオン投資家であるかどうかを知る方法はありません。それにもかかわらず、彼は全く実績のないフォローオン投資にファンドのほとんどの資金を割り当てているのです。
マネージャーが競争優位性を確保し、継続的なパフォーマンスを発揮するためには、自分が投資市場のどこにいるのかを正確に把握することが重要です。私との会話が、その知人のマネージャーが今後の投資戦略を改善し、ファンドレイジングを成功させるために少しでもお役に立てればと思います。
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