#167 VCファンド(LP)の投資戦略:平均vs中央値

平均を超えるリターンを目指して
46(Youngrok) 2024.03.18
誰でも

カリフォルニア(そしておそらく他の州でも)では、清掃車が道路を掃除できるように、道路脇に車を停めてはいけない時間が決まっています。例えば、毎週木曜日の午前8時から午前10時の間は、私の家の前に車を停めてはいけません。その時間になると、いつの間にか小さなパトカーたちが現れ、駐車しているすべての車に駐車違反切符を切ります。本当に正確でかつ早くて迅速です。私もあっと言う間にチケットを切られ、罰金を払ったことがあります。多くの人が知っているように、空港などアメリカの公共サービスの質とスピードが非常に低いです。 いつか彼らも駐車取締り要員から学んでほしいです(笑)。

切符を切るために走っていく駐車取締り要員たち

切符を切るために走っていく駐車取締り要員たち

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過去数ヶ月間、私の記事を読んでくださった方は、すべてのVCファンドが他の資産群に比べて必ずしも魅力的な収益を出しているわけではないことをご存じかと思います。VCが10年間1.5倍の収益を上げるとしたら、投資家は今の状況だと債券に投資した方が良いです。10年間、利率5%で複利投資をする場合、1.6倍の収益になります。

しかし、論点は上位25%のファンドです。 彼らこそ、いわゆるベンチャー投資のリターンを出す人たちです。自分たちがスタートアップに投資するVCであれば、上位25%に入ることを目標にしなければなりませんし、LPであれば、そのようなVCを見つけることができなければなりません。もちろん、どちらも非常に難しいです。

このようにうまくいくところと、うまく行ってないところの差が大きいため、VC全体の「中央値」のリターンを見ると、あまり魅力的ではありません。うまくいかないところも多いため、中央値自体が下がるのです。 しかし、上位25%のファンドはパフォーマンスが良いため、「平均」は中央値よりも高くなります。

そのため、一部のLPは、VC資産クラスで平均的なリターンを達成することを目指します。私たちと同じ年に立ち上がった新興ファンド・オブ・ファンズの一つであるScreendoorのパートナーであるジェイミー・ロードもその一人です。私はジェイミーと2020年ごろ彼女がまだマルチアセットファミリーオフィスで働いていたときからの知り合いですが、当時から彼女の戦略はこれでした。平均を達成するための戦略の1つは、1,000社以上のスタートアップに間接的にエクスポージャーを持つようにポートフォリオを構成することです。

この戦略が合理的であることは間違いありません。VC資産クラス全体への投資として合理的なリターンを達成するのに役立ちます。リスクをコントロールしながら、VC資産クラス全体の平均リターンを可能な限り引き上げることを目指す投資アプローチです。

しかし、同時に、平均以上のリターンを達成するのに役立つ他の戦略を見つけることも、ファンド・オブ・ファンズ・マネージャーとしてやるべきことだと思います。 例えば、上位25%ではなく、上位10%に属するVCファンドを見つけることができれば、平均よりも高いリターンを達成することができます。

私たちは毎年何百ものVCファンドに会っており、上位25%だけでなく、上位10%になる可能性を秘めたVC会社に出会えるという特権を享受しています。もちろん、それらVCを見つけ、評価し、投資に至るまでの投資プロセスは、ファンド・オブ・ファンズとしても決して簡単なことではありません。しかも当然、平均を追うよりもリスクが大きいかもしれません。しかし、私たちはすでにハイリスク・ハイリターンの資産クラスに属しています。十分に挑戦してみる価値はあると思います!

References:

・E12: Jamie Rhode on Why 95% of LPs Can Only Achieve a 10% IRR when the Mean Return is 50% IRR - https://www.youtube.com/watch?v=pKfg071qWqs

・ベンチマークのデータソース: Pitchbook

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