#144 健在な米国シードステージのVC投資 (+東京ミートアップ案内)
【ご案内】10月23日の夕方に直近米国のVC投資の最新状況やトレンドに関して話すミートアップを開催します!詳細は記事の最後に書いてありますので、ご確認ください!
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先週末は毎年恒例のSan Francisco Fleet Weekでアメリカ海軍所属のアクロバット飛行隊であるBlue Angelsを筆頭とするエアショーがありました。会場には行かなかったものの、結構色々なところでも見えるので私も近所の公園でピクニックをしながらみたのですが、目の前で戦闘機が通るとやはり圧倒感がすごいですね。パイロットの免許をとるのがバケットリストの一つですが夢はさらに膨らみました。いつか戦闘機の操縦もしてみたいです…!
(おそらく)Memorial Squadronという飛行団
今年もすでに第4四半期に入り、第3四半期のVC投資状況に関するレポートが出始めています。それらの共通メッセージの一つは、第2四半期と比較して第3四半期の投資件数と投資額が若干減少したということです。このような見出しだけを見ると、VC市場が回復していないように見えますが、データをもう少し詳しく見ると、別の視点が見えてきます。
1. 多少減ったのは事実だが、パンデミック前とほぼ同じレベル
以下のPitchbookのチャートは、四半期ごとの投資件数(折れ線チャート)と投資金額(棒グラフ)を示しています。ご覧の通り、投資件数と投資金額ともに2021年より大幅に減少していますが、パンデミック以前に比べるとほぼ同じ水準に留まっています。これを投資ステージ別に分解すると、シードステージから後期ステージの投資まで同じような現象が起きています。一言で言えば、パンデミックで経験したバブルが起きる前の「通常」の水準に戻ったということになります。
2. シードステージのバリュエーションと投資額はむしろ増加傾向
ファンドのアドミニストレーションのためのテックプラットフォームを提供するCartaは、各ステージのバリュエーションがどれだけ増加したかを示すわかりやすいチャートを最近公開しました。このようなデータを定期的に発信しているCartaのPeter Walker氏のブログは必見です。さて、ご覧の通り、シードラウンドのバリュエーションの中央値の場合、2021年第1四半期よりもなんと55%も高くなっています。
また、次のピッチブックチャートは、シードラウンドのラウンドサイズが着実に増加しており、2023年には全体的に最高水準になると予測しています。
Quartile dispersion of seed deal values ($M)
つまり、第3四半期の実績を要約すると、投資件数はほぼ横ばいですが、バリュエーションと投資額はどんどん大きくなっていることになります。 つまり、より多くの資金がより少ない数の投資案件に集まってきていて、それに伴いバリュエーションも上昇しているという見方もできます。VCにとって、競争力のあるスタートアップ創業者やシード段階のスタートアップは、これまで以上に魅力的に見えているのです。
これはもちろん最近スタートアップを始めたばかり、または近い将来にスタートアップを始める予定がある人にとっては非常に良いニュースです。十分に競争力があり、他のスタートアップ創業者の中でも目立つことができれば、より多くの資金を集めることができ、成功の可能性を高めることができます。VCも同様です。そのような競争力のある創業者を発掘することができて、また、投資を実行できる実力のあるシードVCにとっては、今は自分たちを差別化できる絶好の機会なのです。
***【ご案内】***
10月23日の週に東京出張を予定しています。10月23日(月)に下記の通り今週の記事の話の続きをさせて頂く予定ですので、米国VC投資市場に興味がある方は是非ご参加ください!
また、我々GREE LP Fundとしてもこれから採用活動も始める予定ですので、米国ファンド投資の仕事にご興味がある方もぜひご参加して頂ければと思います!
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概要:米国VC投資マーケットの市況及び最新トレンドに関するプレゼンテーション + Q&A + ミートアップ
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場所:東京都港区(詳細は参加登録をされた方に追って共有いたします)
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日時:2023年10月23日(月)18:00 ~ 19:00ごろ
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参加費:無料
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参加登録:こちらのリンクにて登録をお願いいたします。スペースに限りがありますので、定員を超える方に応募頂いた場合、抽選となる可能性があることをご了承ください。
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