#169 AI時代のVC投資 + イベント案内
先週簡単にご案内した通り、来週の4月9日にTakeoff Tokyoのサイドイベントとして、次世代VCの方々向けのイベントを開催いたいます!詳細内容はイベントページでご確認できます。周りにご興味がありそうな方々がいらっしゃいましたら是非とも拡散のほどよろしくお願いいたします!
イベントページ:https://lu.ma/4d7ds0pl
先週、私たちの出資先ファンドであるNFXとサンフランシスコで最も有名なAIインキュベーターの一つであるHF0が共同で主催した小規模なプライベートイベントに行ってきました。 このイベントでは、OpenAIの研究者やNFXとHF0のポートフォリオスタートアップの興味深いトークを聞くことができました。
その中で、HF0のポートフォリオ会社であるKREAというAI会社の話で特に印象的な点が2つありました。一つ目は、この会社が開発したプロダクトのレベルです。KREAを使えば、誰でもすぐに画像を描くことができます。私は絵が本当に下手で、娘は私が描いたトトロを絶対に見分けられないのですが、KREAを使うことで、彼女を満足させることができそうです。この1分間のYouTube映像でKREAのプロダクトをよく見せています。
KREA AI – Real Time Generation | a new way for ideations and storyboards
二つ目のポイントは、KREAの従業員数です。CEOは会社の従業員が7人しかいないと言いました。 会社設立後、過去2年間、たった7人の従業員でこのような素晴らしいプロダクトを作ったそうです。 これは何を意味するのでしょうか?
AIスタートアップのバリュエーションがそのステージに比べて過大評価されていると言います。しかし、今日のシードステージのスタートアップの成熟度は、例えば5年前のシリーズA企業と同じであると主張することができます。私たちのもう一つのポートフォリオファンドであるHustle FundのGPであるエリザベスはこの現象はすでに過去10年間に渡って徐々に起こっていると言います。もうアイデアだけの段階はプリシードステージとは呼ばれなったのはその理由です。今はAI革新により、この傾向はさらに加速しており、今日のプリシード・シードステージスタートアップの成熟度は5年前、10年前とは全く異なるレベルになりつつあります。同じシードでもバリュエーションが高くなるのは当然なのです。
ほとんどのソフトウェア会社は人を雇うために資金が必要です。ここで、AIの革新により、スタートアップから成熟した会社になるまでに(例えばIPOまで)必要な従業員の数が減ると仮定してみましょう。KREAのように、最小限の人数で良いプロダクトを作ることができるからです。これは、その時点まで到達するために必要な資金が減ることを意味する可能性があります。さらに、レイター・ステージの資金調達ラウンドの回数も減る可能性があることを意味します。もちろん、AI企業はインフラストラクチャにかなりの資金が必要ですが、とにかくこの仮定は面白い頭の体操になります。
いずれにせよ、上記から導き出される共通の結論は、プレシード・シード投資の重要性がますます高まっているということです。つまり、ベンチャーキャピタルの資産クラスとして、これらステージが「VCらしい」投資収益を得ることができる唯一のステージになる可能性があることも意味します。結果、アーリーステージでの競争が激しくなることを意味します。
VCとして「Good」な投資家であるだけでは不十分でです。Goodだと、他の資産クラスでも達成できるようなリターンしか得ることができないからです。近年、質の高いプリシード・シードの新興VCがどんどん誕生しています。これは、初期段階の投資家のレベルをさらに引き上げ、より多くの「Great」な投資家が誕生につながると思います。
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